スポーツ・マーケティング

スポーツ・マーケティングは、スポーツを対象または媒体として行われるマーケティング活動を研究する学問分野である。スポーツ産業の発展とともに、経営学・商学・社会学などと連携して発展してきた。プロスポーツから地域振興まで幅広い領域で応用されている。

主な概念と構成

スポーツ・マーケティングは「スポーツのマーケティング(marketing of sport)」と「スポーツを通じたマーケティング(marketing through sport)」の二側面から成る。前者は競技団体やクラブなどが観客・会員・利用者を増やす施策を指し、後者は企業や自治体がスポーツを活用して商品価値や地域ブランドを高める活動を指す。

学術的背景

1979年に米誌“Advertising Age”で用語が登場し、1980年代のロサンゼルス五輪以降、スポーツの商業化を契機に研究が拡大した。1990年代以降はスポーツマネジメント学会の設立により体系化が進み、現在では北米・欧州・アジアを中心に主要研究分野の一つとなっている。日本では日本スポーツ産業学会や日本スポーツマネジメント学会が研究を牽引している。

研究対象と方法

対象はスポーツ消費者行動、スポンサーシップ、ブランド戦略、イベント・施設運営、メディア活用など多岐にわたる。研究手法はマーケティング理論や消費者心理学、統計的分析を用い、スポーツ特有の「競争性」「公共性」「自発性」「時間的制約性」などの特質を重視する。

応用と社会的意義

スポーツ・マーケティングは、スポーツ組織の収益化だけでなく、地域振興、教育、健康増進、国際交流といった社会課題の解決にも寄与する。2011年のスポーツ基本法以降、日本では「スポーツを通じた社会づくり(Development through Sport)」の理念のもと、産官学連携による実践と教育が広がっている。